焼肉店開業の内装費用の相場【東京】

最終更新: 2026年9月

焼肉店は飲食店の中でも設備コストが特に高くなりやすい業態です。各テーブルにロースターと排気設備を設けるため、卓数に比例してダクト・ロースター費用が積み上がる構造になっており、排気方式の選択が坪単価を大きく左右します。ここでは複数の内装関連メディアの情報を照合し、東京で焼肉店を開業する場合の内装費用の目安を紹介します。

費用相場の早見表

物件の状態坪単価の目安15坪の場合の単純計算20坪の場合の単純計算
居抜き20万〜50万円程度300万〜750万円程度400万〜1,000万円程度
スケルトン50万〜100万円程度750万〜1,500万円程度1,000万〜2,000万円程度

坪単価はALL MAKEの目安(スケルトン坪50万〜100万円、居抜き坪20万〜50万円)によるもので、総額の欄は坪単価×坪数の単純計算です。店舗設計施工.comは焼肉店全体で坪50万〜150万円前後を目安とし、カジュアルな店で坪60万〜80万円ほど、高級感や個室を重視した店では坪100万円を超えるケースも珍しくないとしています。また、施工実績データを集計している店舗デザイン.COMでは、スケルトン物件の坪単価の中央値は63.3万円/坪、居抜き・リフォーム物件でも中央値63.3万円/坪(34.3万〜95.0万円/坪)と、居抜きでも高めの水準が示されています。焼肉店は居抜きでも排気設備の状態次第で費用が大きく変わることがうかがえます。

出典: ALL MAKE「焼肉店の内装工事費用はいくら?坪単価の相場と安く抑える5つのコツ」(https://allmake.co.jp/blog/yakiniku-interior-cost/)、店舗設計施工.com「焼肉店の内装工事の費用相場」(https://www.shop-reform.com/case_study/marketprice/yakiniku)、店舗デザイン.COM「焼肉の店舗デザイン・内装工事費用の相場」(https://www.tenpodesign.com/cost/tempotrip/12)

費用の内訳と変動要因

焼肉店のコストの核は、テーブルごとの排気設備(ロースター+ダクト)です。ALL MAKEの記事では、30坪のスケルトン物件の内訳例として排煙ダクト工事200万〜300万円、ロースター設備200万〜300万円(無煙ロースター10卓想定)、空調・換気設備100万〜200万円、合計1,200万〜2,200万円という目安が示されています。

主な設備要素は次の通りです。

出典: ALL MAKE「焼肉店の内装工事費用はいくら?坪単価の相場と安く抑える5つのコツ」(https://allmake.co.jp/blog/yakiniku-interior-cost/)、店舗設計施工.com「焼肉店の内装工事の費用相場」(https://www.shop-reform.com/case_study/marketprice/yakiniku)、広積空調工業「【ダクト工事専門家が解説】焼肉店の無煙ロースターってどう選ぶの?!」(https://kohseki-tsopro.co.jp/category/column/1338/)

このほか、坪単価に影響する要因として次のような点があります。

焼肉店に必要な設備一覧と費用の目安

焼肉店の設備は「客席の排気まわり」と「厨房の一般設備」に分かれます。下表は公開されているメーカー標準価格や施工会社の目安をまとめたもので、いずれも「目安」です。冷蔵冷凍庫・肉スライサー・グリストラップ本体のようにメーカーが価格を公開していない設備は、販売店への見積りが必要です。

設備役割・ポイント費用の目安
無煙ロースター(ガス式)各卓の熱源と煙の捕集。ダクト式が一般的1台20万〜30万円程度(ALL MAKE)
無煙ロースター(電気式・ノンダクト)ダクト配管が不要なタイプ。メーカーは「油煙は発生するので天井型換気扇は必要」と注記定価の例: 100V卓上式 107,800円(税込)、100V埋込式 140,800円(税込)、200V埋込式 217,800円(税込)(ユナイテッドパーソン)
フード・ロースター本体(排気側)煙を発生源で捕集する装置。フィルター性能が維持管理費を左右1台/1箇所 15万〜30万円(八幡建装)
ダクト配管(材料・工賃)煙を屋外へ運ぶ配管。焼肉店では火災予防のため断熱材(ロックウール等)の施工が必須1mあたり 2万〜5万円(八幡建装)
排気ファン(シロッコファン)煙を吸い込み外へ押し出す「心臓部」。静圧の強さが重要。消音装置を含む場合も1基 15万〜40万円(八幡建装)
電気・吊り込み工賃機器の天井固定とファンの配線。高所・深夜作業は加算一式 10万〜30万円(八幡建装)
給気ダクト排気と同量の新鮮な空気を取り込む設備。不足すると店内が「負圧」になり、ドアが開けにくい・排水溝から悪臭が上がるなどの問題が起きる排気設備とセットで設計(個別価格の公開資料は確認できず)
脱臭装置活性炭吸着方式(例: 東産業「脱臭くん」脱臭効率約90%、風量30/60m³/min)や電気集塵機(例: SMOG-HOG、メンテナンス基本料金1ユニット22,000円)本体価格は非公開・要見積り
グリストラップ排水中の油脂を分離する装置。本体価格は要見積り清掃費用の目安: 100L未満 2万円以下、250L以下 1万9,000〜2万5,000円(グリトラマン)
製氷機例: ホシザキ IM-20CP(卓上・日産20kg)標準価格 488,000円(税抜)
食器洗浄機例: ホシザキ JWE-300TB(アンダーカウンター・コンパクト)標準価格 1,005,000円(税抜)
冷蔵・冷凍庫、肉スライサー焼肉店では大容量の冷蔵冷凍庫が必要メーカー公式サイトで価格非公開。販売店に要見積り

ダクト工事を店舗全体で見た目安として、八幡建装は「10坪(ロースター4〜6台)100万〜150万円」「20坪(8〜12台)180万〜250万円」「30坪以上(15台〜)300万円〜」という坪数別の表を示しています。一方でミセラボは、一般的な飲食店のダクト工事が50万〜200万円前後なのに対し、焼肉店は各卓の吸排気に加えて脱臭・防炎設備が求められるため300万〜500万円以上になることも珍しくないとしています。出典によって幅があるため、単一の数字で判断せず、卓数と排気経路を伝えたうえで見積りを取ることをおすすめします。

出典: ユナイテッドパーソン「業務用電気無煙ロースター」(https://www.united-person.jp/roaster)、八幡建装「焼肉屋のダクト工事費用はいくら?坪数別の相場と安く抑える3つの秘策」(https://yawatakensou.com/staff-blog/tenpokouzi23/)、東産業「脱臭・排煙・集塵設備」(https://www.8929.co.jp/products/environment/dasshukun)、グリトラマン「グリストラップ清掃を業者に依頼したときの費用相場」(https://gretraman.jp/blog/20240630_2770/)、ホシザキ「全自動製氷機 キューブアイスメーカーラインナップ」(https://www.hoshizaki.co.jp/p/ice-engine/cube-lineup/)、ホシザキ「業務用食器洗浄機 JWEシリーズ アンダーカウンタータイプ(コンパクトタイプ)」(https://www.hoshizaki.co.jp/p/washing-m/jwe/underc_compact/lineup.html)、ミセラボ「【業者が解説】焼肉屋のダクト工事の費用相場はどれくらい?」(https://sma-in.com/blog/yakiniku-duct-work-cost/)

炭火・ガス・電気の違い

出典: 山岡金属工業「焼肉はガスと炭火どっちがいい?」(https://www.silkroom.co.jp/2024/12/10748/)、中部コーポレーション「【炭火VSガス火】おいしい焼肉はどちらかロースターを徹底比較」(https://www.chubu-net.co.jp/food/column/?id=17)、ミセラボ(https://sma-in.com/blog/yakiniku-duct-work-cost/)、ユナイテッドパーソン(https://www.united-person.jp/roaster)

排煙ダクト費用を左右する要因

同じ卓数でも、ダクト工事の見積りは物件条件で大きく変わります。主な要因は次の通りです。

東京消防庁への届出と火災予防条例

東京消防庁は、建物内外に一定規模以上の炉・こんろ等(火を使用する設備)を設置するときは、設置する7日前までに管轄消防署へ「火を使用する設備等の設置(変更)届出書」を提出し、届出後は原則として消防署の検査を受ける必要があるとしています。東京都火災予防条例第57条では、厨房設備のうち「排気取入口から下方に排気する方式」(下引き方式)は入力の合計にかかわらず届出対象で、それ以外の厨房設備は入力合計120kW未満なら対象外という構造になっています。また同条例第3条の2は、排気ダクトを直接屋外へ通し他の用途のダクトと接続しないこと、下引き方式のダクトは階ごとに専用とすること、排気取入口にグリス除去装置と火炎伝送防止装置(自動消火装置)を設けることなどを定めています。個別の店舗が届出対象になるかは入力の計算や管轄消防署の判断によるため、内装会社と一緒に早めに消防署へ相談してください。

出典: ミセラボ「【業者が解説】焼肉屋のダクト工事の費用相場はどれくらい?」(https://sma-in.com/blog/yakiniku-duct-work-cost/)、ミセラボ「焼肉屋に設置するダクトの種類と選び方」(https://www.sma-in.com/blog/types-of-ducts-for-yakiniku-restaurants/)、八幡建装(https://yawatakensou.com/staff-blog/tenpokouzi23/)、播磨商事「焼肉店の内装工事でダクト・排煙を計画するポイント」(https://www.harima-shouji.co.jp/column/yakiniku-interior)、AUTHORITY CREATIVE Works「飲食店の排気ダクト火災はなぜ起こる?」(https://authority-air.co.jp/2026/08/07/36908/)、日本空調システムクリーニング協会「厨房ダクト清掃方法・手順」(https://www.jadca.jp/skill/chubo/)、東京消防庁「火を使用する設備等の設置(変更)届出書」(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/drs/ss_04/003.html)、東京都例規集データベース「火災予防条例」第3条の2・第57条(https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00002311.html)

焼肉店の居抜き物件のチェックポイント

居抜き物件は費用を抑えられる可能性がある一方、焼肉店では「排気設備が使えるかどうか」で結果が大きく変わります。契約前に次の点を確認してください。

出典: ミセラボ(https://sma-in.com/blog/yakiniku-duct-work-cost/)、八幡建装(https://yawatakensou.com/staff-blog/tenpokouzi23/)、播磨商事(https://www.harima-shouji.co.jp/column/yakiniku-interior)、飲食店ドットコム居抜き売却「居抜き物件の「造作譲渡料」「造作譲渡金」とは?」(https://www.inuki-info.com/knowledge/closeContent/detail/95)、テンポスフードメディア「飲食店居抜き物件を造作譲渡する際のよくあるトラブルと注意点を解説!」(https://www.tenpos.com/foodmedia/management/3624/)

開業までの流れ

  1. 物件探し・契約: 坪数・立地に加え、ダクトスペース・排気経路・電気ガス容量を確認します。前テナントが焼肉店かどうかは費用面で大きな判断材料になります。
  2. 保健所への事前相談: 工事着工前に設計図を持参して管轄の保健所へ相談します。厨房屋の解説では、申請は施設完成の10日前までに行い、申請から許可取得まではおおむね2〜3週間程度かかるとされています(許可申請手数料は2万円程度)。
  3. 内装設計・工事請負契約: ロースターの方式(上引き/下引き/ノンダクト)とダクトルートを含めた設計を行い、内装会社と契約します。
  4. 着工・施工: 解体(スケルトンの場合)、ダクト・ロースター設置、空調・内装仕上げ工事を行います。
  5. 消防署への届出・保健所の施設検査: 必要な届出を行い、完成後に検査を受けます。
  6. 営業許可証の交付・開業

出典: 厨房屋「飲食店の開業に必須!保健所の営業許可を取るための手続きの流れを解説」(https://kpnet.jp/health-center-business-permit/)

内装会社選びのポイント

焼肉店は排気計画がそのまま客席の快適性(煙・におい)と費用に直結します。想定する卓数と方式を具体的に伝えたうえで、複数社から見積りを取って比較することをおすすめします。

東京で開業する場合の留意点

東京23区は雑居ビルのテナントが多く、共同で使うダクトスペースの容量や屋上までの排気経路に制約がある物件も少なくありません。焼肉店は飲食業態の中でも排気の負荷が特に大きいため、物件を決める前にダクトの経路・排気能力を内装会社に確認してもらうと安心です。

また、23区は保健所が区ごとに設置されており、申請窓口や運用の細かな取り扱いが異なる場合があります。物件が決まったら早めに管轄の保健所へ相談することをおすすめします。

よくある質問

Q. ダクト式とノンダクト式はどちらを選べばよいですか? 1台あたりの費用は上引きのダクト式が最も安く(施工費10万円程度)、ノンダクト式は35万円程度と高めですが、ダクト配管が不要なため工期が短く(2〜3日程度)、排気経路に制約のある物件でも導入しやすいとされています。物件の排気条件と卓数を踏まえて、内装会社に両方の概算を出してもらい比較するのがおすすめです。

Q. 居抜きで焼肉店を開業すれば費用を大きく抑えられますか? 前テナントも焼肉店であれば、ダクト・ロースター・空調を流用できる可能性があり、費用を大きく抑えられることがあります。焼肉店以外の飲食店の居抜きでは排気設備の新設が必要になるため、施工実績データでは居抜きでも坪単価の中央値が63.3万円/坪と高めの水準が示されています(店舗デザイン.COM)。

Q. 焼肉店の設備は消防署への届出が必要ですか? 東京消防庁は、一定規模以上の火を使用する設備を設置するときは設置の7日前までに管轄消防署へ届け出て、原則として検査を受ける必要があるとしています。東京都火災予防条例第57条では、下引き方式(排気取入口から下方に排気する方式)の厨房設備は入力の合計にかかわらず届出対象です。個別の店舗が対象になるかは入力の計算や管轄消防署の判断によるため、内装会社と一緒に早めに相談してください(出典は上記「東京消防庁への届出と火災予防条例」参照)。

Q. 持ち帰り用の味付け生肉も販売できますか? 行政書士事務所オータムの解説によると、飲食店営業許可だけでは持ち帰り用の生肉販売は無許可営業となる可能性があり、別途「食肉販売業許可」が必要とされています。物販を予定している場合は、保健所への事前相談時にあわせて確認してください。

出典: 行政書士事務所オータム「【行政書士が解説】食肉販売業許可とは?取得要件・手続き・飲食店営業許可や類似許可との違いを徹底解説」(https://scriveneroffice-autumn.com/1862/)

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費用はあくまで一般的な目安で、物件の状態(スケルトン/居抜き)・坪数・使用素材・ 工事範囲により大きく変わります。正確な金額は必ず複数の内装会社に見積りを依頼して 確認してください。東京23区の内装会社一覧はこちら